○行旅病人及行旅死亡人取扱法施行細則
昭和六十二年四月一日
規則第二十号
(趣旨)
第一条 この規則は、行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治三十二年法律第九十三号。以下「法」という。)の施行について、行旅病人、行旅死亡人等ノ引取及費用弁償ニ関スル件(明治三十二年勅令第二百七十七号)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(扶養義務者等への引取通知)
第二条 市長は、行旅病人若しくはその同伴者又は行旅死亡人の同伴者(以下「被救護者」という。)を救護したときは、遅滞なく、被救護者の扶養義務者又は同居の親族に対し、引取期間を指定し、かつ、被救護者の状況を付して通知するものとする。
2 市長は、前項の規定により引取りを行うべき旨を通知した被救護者の扶養義務者又は同居の親族が被救護者を引き取る必要がなくなつたときは、直ちにその旨を通知するものとする。
(領事への通知)
第三条 市長は、外国人である行旅病人、行旅死亡人又はそれらの同伴者に対し救護等を行つた場合には、その所属国領事に通知を行い、引取り等についての協力を求めるものとする。
(留置救護)
第四条 市長は、被救護者が重症であるなど特別の事情により被救護者の扶養義務者又は同居の親族が第二条第一項の通知により指定した期間内に被救護者を引き取ることができない場合には、被救護者又はその引取りを行うべき者からの請求により、相当の期間を指定して被救護者の留置救護を行うことができる。
2 市長は、被救護者又はその引取りを行うべき者の請求がない場合であつても、必要と認めたときは、相当の期間を指定して被救護者の留置救護を行うことができる。
(送還)
第五条 市長は、次の各号に該当するときは、被救護者の引取りを行うべき旨を通知した扶養義務者又は同居の親族に被救護者を送還することができる。
一 被救護者の引取りを行うべき旨を通知した扶養義務者又は同居の親族が、指定期間内に被救護者を引き取らない場合
二 被救護者又は引取りを行うべき者から留置救護の請求があつた場合において、相当の事情があると認められない場合
三 市長が、留置救護を行う必要がないと認めた場合
(県に対する通知)
第六条 市長は、被救護者について、扶養義務者若しくは同居の親族がいないとき若しくは明らかでないとき又は被救護者の引取者がいないときは、被救護者の状況を付して、県に対し被救護者の引取りを行うべき旨を通知するものとする。
(施設等への委託)
第七条 市長は、被救護者の救護を適当な施設又は私人に委託することができる。
(費用弁償請求手続)
第八条 市長は、救護に要した費用の弁償を被救護者若しくは扶養義務者に請求するとき、又は行旅死亡人の取扱いに要した費用の弁償を相続人若しくは行旅死亡人の扶養義務者に請求するときは、市が支弁した費用の計算書を添付するとともに、納入期限を指定するものとする。
(県への請求)
第九条 市長は、被救護者から救護費用の弁償がなされない場合であつて、扶養義務者がいないとき若しくは明らかでないとき又は扶養義務者から救護費用の弁償を得ることができないときは、市が支弁した費用の計算書を付して、県に対して費用の弁償を請求するものとする。
(公告期間)
第十条 市長は、法第九条の規定により告示するときは、三十日以上これを掲示するものとする。
(通知事項)
第十一条 市長は、行旅死亡人に関して相続人又は扶養義務者若しくは同居の親族に通知するときは、行旅死亡人の状況、相貌その他本人の認識に必要な事項を通知するものとする。
(遺留物件の処分)
第十二条 市長は、行旅死亡人の取扱いに要した費用については、まず、その遺留の金銭又は有価証券をもつて充て、これをもつてしても足りない場合であつて、相続人及び扶養義務者がいないとき又は明らかでないときは、最初に公告を行つた日から起算して六十日を経過した日以後、行旅死亡人の遺留物品を売却してその費用に充てるものとする。
2 市長は、法第九条の規定による公告を行わなかつた者及び公告後相続人又は扶養義務者が明らかになつた者から、行旅死亡人の取扱いに要した費用の弁償を得ることができなかつた場合には、直ちにその遺留物品を売却することができるものとする。
3 市長が、行旅死亡人の遺留物品を売却することができる限度は、費用の弁償額に達するまでとする。
4 市長は、有価証券及び見積価格が一定額以下の物件については、競売に付することなく処分できるものとする。
5 市長は、行旅死亡人の遺留物品を売却してもなお費用の弁償額に足りないときは、県に対して計算書を付してその不足額を請求するものとする。
(繰替支弁費用)
第十三条 市長が、被救護者の救護又は行旅死亡人の取扱いを行つた場合に、市費をもつて一時繰替支弁を行う費用の範囲は、県が定めるところによるものとする。
(その他)
第十四条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。
附則
この規則は、公布の日から施行する。