○防府市住民投票条例

平成十八年十月五日

条例第三十三号

(目的)

第一条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、市政運営上の重要事項について、市民の意思を問う住民投票の制度を設け、これによって示された市民の意思を市政に反映し、もって市民の福祉の向上を図るとともに、市民と行政との協働によるまちづくりを推進することを目的とする。

(市政運営上の重要事項)

第二条 この条例において「市政運営上の重要事項」とは、市及び市民全体に重大な影響を及ぼす事案であって、市民に直接その意思を問う必要があると認められるものをいう。ただし、次に掲げる事項を除く。

 市の権限に属さない事項。ただし、市の意思として明確に表示しようとする場合は、この限りでない。

 法令の規定に基づき住民投票を行うことができる事項

 専ら特定の市民又は地域にのみ関係する事項

 市の組織、人事又は財務に関する事項

 前各号に掲げるもののほか、住民投票に付することが適当でないと明らかに認められる事項

(住民投票の執行)

第三条 住民投票は、市長が執行するものとする。

2 市長は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百八十条の二の規定に基づき、その権限に属する住民投票の管理及び執行に関する事務を防府市選挙管理委員会(以下「選挙管理委員会」という。)に委任するものとする。

(投票資格者)

第四条 住民投票の投票権を有する者(以下「投票資格者」という。)は、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第二十一条第一項の規定により防府市の選挙人名簿に登録される資格を有する者とする。

(投票資格者名簿の調製等)

第五条 選挙管理委員会は、投票資格者の氏名、住所、性別、生年月日等を記載した名簿(以下「投票資格者名簿」という。)を調製し、及び保管するものとする。

2 投票資格者名簿は、永久に据え置くものとし、かつ、それぞれの住民投票を通じて一の名簿とする。

3 選挙管理委員会は、毎年三月、六月、九月及び十二月(以下「登録月」という。)の一日現在における投票資格者を同日(同日が防府市の休日に関する条例(平成元年防府市条例第二十九号)第一条第一項に規定する市の休日(以下この項において「市の休日」という。)に当たる場合(住民投票が行われる場合において、登録月の一日が第九条第二項の規定による当該住民投票の期日の告示の日から当該住民投票の期日の前日までの間(同条第三項の規定により住民投票の期日を変更したときは、同条第四項の規定による告示の日から変更後の当該住民投票の期日の前日までの間。次項において同じ。)にあるときを除く。)には、登録月の一日又は同日の直後の市の休日以外の日)に投票資格者名簿に登録しなければならない。ただし、天災その他選挙管理委員会が特に必要があると認める場合にあっては、登録の日を繰り延べて定めることができる。

4 前項の規定による登録は、住民投票が行われる場合において、登録月の一日が第九条第二項の規定による当該住民投票の期日の告示の日から当該住民投票の期日の前日までの間にあるとき(前項ただし書の規定により登録の日を当該住民投票の期日後に繰り延べて定める場合を除く。)には、前項本文の規定にかかわらず、登録月の一日(年齢については、当該住民投票の期日)現在により、行わなければならない。

5 選挙管理委員会は、住民投票を行う場合においては、第九条第二項の規定による告示の日の前日(年齢については、当該住民投票の期日)現在における投票資格者を当該告示の日の前日に投票資格者名簿に登録しなければならない。

6 選挙管理委員会は、第九条第三項の規定により住民投票の期日を変更したときは、同条第四項の規定による告示の日の前日(年齢については、当該変更後の住民投票の期日)現在における投票資格者を当該告示の日の前日に投票資格者名簿に登録しなければならない。

7 第三項の規定による登録は、第五項又は前項の規定により登録すべき日と登録月の一日とが同一の日となる場合には、行わない。

(平二九条例三二・一部改正)

(住民投票の請求に必要な署名数の告示)

第六条 選挙管理委員会は、前条第三項から第六項までの規定により投票資格者名簿の登録を行ったときは、直ちに当該投票資格者名簿に登録されている者の総数の三分の一の数を告示しなければならない。

(平二九条例三二・一部改正)

(住民投票の請求及び発議)

第七条 第五条第三項から第六項までの規定による投票資格者名簿の登録が行われた日において当該投票資格者名簿に登録されている者は、市政運営上の重要事項について、その総数の三分の一以上の者の連署をもって、その代表者から、市長に対して書面により住民投票の実施を請求することができる。

2 前項に規定する請求に係る署名に関する手続等は、地方自治法第七十四条第六項から第九項まで、第七十四条の二第一項から第六項まで及び第七十四条の三第一項から第三項までの規定の例による。

3 市議会は、議員の定数の十二分の一以上の者の賛成を得て議員提案され、かつ、出席議員の過半数の賛成により議決した市政運営上の重要事項について、市長に対して書面により住民投票の実施を請求することができる。

4 市長は、市政運営上の重要事項について、自ら住民投票の実施を発議することができる。

5 市長は、第一項の規定による市民からの請求(以下「市民請求」という。)若しくは第三項の規定による議会からの請求(以下「議会請求」という。)があったとき、又は前項の規定により住民投票の実施を発議したときは、直ちにその要旨を公表するとともに、選挙管理委員会にその旨を通知しなければならない。

6 市長は、市民請求又は議会請求があったときは、その請求の内容が第二条各号に掲げる事項に該当する場合を除き、住民投票を実施しなければならない。

(平二四条例一六・平二九条例三二・一部改正)

(住民投票の形式)

第八条 市民請求、議会請求及び前条第四項の規定による市長の発議(以下「市民請求等」という。)による住民投票に係る事案は、二者択一で賛否を問う形式のものとして請求され、又は発議されたものでなければならない。

(住民投票の期日)

第九条 住民投票の期日(以下「投票日」という。)は、第七条第五項の規定による通知があった日から起算して三十日を経過し九十日を超えない範囲内において、選挙管理委員会が定めるものとする。

2 選挙管理委員会は、前項の規定により投票日を定めたときは、当該投票日その他必要な事項を当該投票日の七日前までに告示しなければならない。

3 選挙管理委員会は、第一項の規定により定めた投票日に、衆議院議員若しくは参議院議員の選挙、山口県の議会の議員若しくは長の選挙又は本市の議会の議員若しくは長の選挙が行われるときその他選挙管理委員会が特に必要があると認めるときは、当該投票日を変更しなければならない。

4 選挙管理委員会は、前項の規定により投票日を変更したときは、当該変更後の投票日を変更理由を付して速やかに告示しなければならない。

(平二三条例一〇・一部改正)

(投票所等)

第十条 投票所及び第十四条の期日前投票における投票所(以下「期日前投票所」という。)は、選挙管理委員会の指定した場所に設ける。

2 選挙管理委員会は、投票日の五日前までに投票所を、前条第二項の規定による告示の日に期日前投票所をそれぞれ告示しなければならない。

(投票をすることができない者)

第十一条 投票資格者名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。

2 投票資格者名簿に登録された者であっても投票資格者名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。

3 投票日の当日(第十四条の期日前投票にあっては、投票をしようとする日)に、投票資格者でない者は、投票をすることができない。

(投票の方法)

第十二条 住民投票は、一人一票の投票とし、秘密投票とする。

2 住民投票の投票を行う投票資格者(以下「投票人」という。)は、投票用紙の選択肢から一つを選択し、所定の欄に自ら○の記号を記載しなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、身体の故障その他の理由により、自ら投票用紙に○の記号を記載することができない投票人は、代理投票等により投票をすることができる。

(投票所においての投票)

第十三条 投票人は、投票日の当日、自ら投票所に行き、投票資格者名簿の抄本の対照を経て、投票をしなければならない。

(期日前投票等)

第十四条 投票人は、前条の規定にかかわらず、期日前投票又は不在者投票を行うことができる。

(無効投票)

第十五条 次に掲げる投票は、無効とする。

 所定の投票用紙を用いないもの

 ○の記号以外の事項を記載したもの

 ○の記号のほか、他事を記載したもの

 ○の記号を投票用紙の選択肢のいずれにも記載したもの

 ○の記号を投票用紙の選択肢のいずれに記載したのか判別し難いもの

 白紙投票

(情報の提供)

第十六条 市長は、住民投票を実施する際には、当該住民投票に関し必要な情報を広報その他適当な方法により提供しなければならない。

(投票運動)

第十七条 住民投票に関する投票運動は、自由とする。ただし、買収、脅迫等により投票資格者の自由な意思が拘束され、又は不当に干渉されるものであってはならない。

(住民投票の成立要件等)

第十八条 住民投票は、一の事案について投票した者の総数が当該住民投票の投票日における投票資格者名簿に登録されている者の数の二分の一に満たないときは、成立しないものとする。この場合においては、開票作業その他の作業は行わない。

2 住民投票の結果は、有効投票総数の過半数をもって決するものとする。

(投票結果の告示等)

第十九条 選挙管理委員会は、前条の規定により住民投票が成立しなかったとき、又は住民投票が成立し、投票結果が確定したときは、直ちにこれを告示するとともに、当該告示の内容を市長に報告しなければならない。

2 市長は、前項の規定による報告があったときは、その内容を直ちに市議会議長に通知しなければならない。

3 市長は、市民請求に係る住民投票について、第一項の規定による報告があったときは、その内容を直ちに当該市民請求に係る代表者に通知しなければならない。

(投票結果の尊重)

第二十条 市民、市議会及び市長は、住民投票の結果を尊重しなければならない。

(市民請求等の制限期間)

第二十一条 この条例による住民投票が実施された場合には、第十九条第一項の規定による告示の日から二年間は、同一の事案又は当該事案と同旨の事案について市民請求等を行うことができない。

(投票及び開票)

第二十二条 前条までに定めるもののほか、住民投票の投票及び開票に関し必要な事項については、公職選挙法、公職選挙法施行令(昭和二十五年政令第八十九号)及び公職選挙法施行規則(昭和二十五年総理府令第十三号)の規定により行われる地方公共団体の議会の議員又は長の選挙の例による。

(委任)

第二十三条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成十八年十二月一日から施行する。

(平成二三年三月三一日条例第一〇号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成二四年三月二八日条例第一六号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成二九年九月七日条例第三二号)

この条例は、公布の日から施行する。

防府市住民投票条例

平成18年10月5日 条例第33号

(平成29年9月7日施行)

体系情報
第3類 度/第2章 職制・処務
沿革情報
平成18年10月5日 条例第33号
平成23年3月31日 条例第10号
平成24年3月28日 条例第16号
平成29年9月7日 条例第32号