本文
日本人のためのがん予防法(5+1)
日本人のためのがん予防法(5+1)
国立がん研究センターを中心とする共同研究グループは、日本人のがんの予防にとって重要な「たばこ」「お酒」「食生活」「身体活動」「体重」の5つの生活習慣に関わる要因に「感染」を加えた6つの要因を取りあげ、「日本人のためのがん予防法(5+1)」を定めました。
日本では毎年、たくさんの人ががんになっています。がんの原因は1つではなく、複数の要因が関連して発生しますが、誰でも高齢になればがんになる確率が高くなります。
また、がん予防についての研究からは、がんと生活習慣・環境との間に深い関わりがみられます。誰でも、生活習慣を改善することで、がん予防に取り組むことができます。
たばこ
たばこは吸わない
たばこを吸っている人は禁煙しましょう。
他人のたばこの煙を避ける
吸わない人も他人のたばこの煙を避けましょう。
お酒
飲酒はひかえる
飲酒量を減らすほどがんのリスクは低くなります。がん予防のためには、飲酒しないことがベストです。飲まない人、飲めない人は無理に飲まないようにしましょう。
食生活
偏らずバランスよくとる
- 塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にする。
- 野菜や果物不足にならない。
- 飲食物を熱い状態でとらない。
食塩は1日あたり男性 7.5g、女性 6.5g 未満、特に、高塩分食品(たとえば塩辛、練りうになど)は週に1回未満に控えましょう。
身体活動
日常生活を活動的に
たとえば、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分行いましょう。また、息がはずみ汗をかく程度の運動は1週間に60分程度行いましょう。
体重
適切な範囲内に
中高年期男性のがん予防に適正な B M I 値(Body Mass Index肥満度)は21~27、中高年期女性では21~25です。この範囲内になるように体重を管理しましょう。
感染
肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染している場合は治療を受ける。
- 地域の保健所や医療機関で、一度は肝炎ウイルスの検査を受けましょう。感染している場合は専門医に相談し、特にC型肝炎の場合は積極的に治療を受けましょう。
ピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌を検討する。
- ピロリ菌の除菌により、胃がんのリスクが下がることは、"確実"と評価されています。(国立がん研究センターがん情報サービスより)
- 機会があればピロリ菌の検査を受けましょう。定期的に胃がんの検診を受けるとともに、除菌については利益と不利益を考えたうえで主治医と相談して決めましょう。
- 肝炎ウイルスやピロリ菌に感染している場合は、肝がんや胃がんに関係の深い生活習慣にも注意しましょう。
該当する年齢の人は、子宮頸がんワクチンの定期接種を受ける。
- 子宮頸がんの検診を定期的に受け、該当する年齢の人は子宮頸がんワクチンの定期接種を受けましょう。
参考
科学的根拠に基づくがん予防(国立がん研究センター)