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財政の健全性に関する指標を公表します
財政の健全性に関する指標
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(財政健全化法)が平成21年4月1日に全面施行され、財政の健全性に関する指標を算定し、公表することとなりました。
今後、この指標が一定の基準以上となった場合、この法律に基づく財政の健全化等に取り組む必要があります。
財政の健全性に関する指標を公表します
財政健全化法に基づき算定した健全化判断比率および資金不足比率を公表します。
令和5年度決算に係る指標は、いずれも基準を下回っており、財政は健全な状態です。
健全化判断比率の状況
- 令和5年度決算 [PDFファイル/178KB]
- 令和4年度決算 [PDFファイル/261KB]
- 令和3年度決算 [PDFファイル/260KB]
- 令和2年度決算 [PDFファイル/402KB]
- 令和元年度決算 [PDFファイル/178KB]
- 平成30年度決算 [PDFファイル/201KB]
公営企業の資金不足比率の状況
- 令和5年度決算 [PDFファイル/78KB]
- 令和4年度決算 [PDFファイル/92KB]
- 令和3年度決算 [PDFファイル/92KB]
- 令和2年度決算 [PDFファイル/184KB]
- 令和元年度決算 [PDFファイル/79KB]
- 平成30年度決算 [PDFファイル/113KB]
財政健全化法のあらまし
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」について
従来の財政再建制度との違い
地方公共団体の財政再建制度は、地方財政再建促進特別措置法(財政再建法)による赤字の地方公共団体に対する財政再建制度と地方公営企業法による赤字企業に対する財政再建制度が設けられていました。
しかし、わかりやすい財政情報の開示や早期是正機能がないなどの課題があり、また財政再建法によって再生するかしないかは、地方公共団体の意思に任されていました。
財政健全化法では、監査委員の審査や議会への報告、住民への公表を義務付けるなど、情報開示の徹底を図っています。また、早期健全化基準を設け、基準以上となった地方公共団体には、財政健全化計画の策定を義務付けて自主的な改善努力を促し、さらに、公営企業や第三セクターなどの会計も対象とする新たな指標を導入するなど、地方公共団体の財政の全体像を明らかにする制度となっています。
従来の制度(財政再建法) | 現行の制度(財政健全化法) | |
---|---|---|
財政健全化のしくみ | いきなり財政再建団体(赤信号)となり、早期是正を図る段階がない。 | 財政再生団体(赤信号)の前に、財政健全化団体(黄信号)の段階を設け、自主的な改善努力による早期健全化を促す。 |
対象となる会計 | 一般会計を中心としているため、公営企業や第三セクター等の経営状況は考慮されない。 | 公営企業や第三セクター等も含めた地方公共団体全体の財政の全体像を浮き彫りにする。 |
財政状況を判断する方法 | 単年度の現金収支の指標(フロー指標)のみで負債等(ストック指標)の財政状況に課題があっても対象とならない。 | 単年度の現金収支(フロー指標)に加え、実質的負債(ストック指標)である「将来負担比率」を導入した。 |
情報の開示 | わかりやすい財政情報の開示や財政の正確性を担保する手段がない。 | 財政状況が健全な段階から財政指標を整備し、監査委員の審査・議会報告、住民への公表を義務付けるなど、情報開示を徹底している。 |
公営企業の経営状況 | 公営企業に早期是正の機能がない。 | 公営企業の経営状況の判断指標として「資金不足比率」を導入した。 |
法律の概要
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」は、平成19年6月22日に公布されました。
健全化判断比率および資金不足比率の公表に関する規定は平成19年度決算から適用され、財政健全化計画の作成義務などのその他の規定は平成20年度決算から適用されています。
健全化判断比率の概要
実質赤字比率
地方公共団体の最も主要な会計である「一般会計」等の赤字の大きさを指標化したもので、「一般会計等の財政運営の深刻度」を表します。
連結実質赤字比率
国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計などの特別会計のほか、公営企業会計(上水道や下水道など)を含めた「地方公共団体の全会計」の赤字の大きさを指標化したもので、「全体の財政運営の深刻度」を表します。
実質公債費比率
地方公共団体の借入金(地方債)に対する返済額(公債費)の大きさを指標化したもので、「資金繰りの危険度」を表します。
将来負担比率
地方公共団体の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の大きさを指標化したもので、「将来財政を圧迫する可能性の度合い」を表します。
公営企業の資金不足比率の概要
資金不足比率
公営企業(上水道や下水道など)の資金不足の大きさを公営企業ごとに指標化したもので、「経営状態の悪化の度合い」を表します。
監査委員の審査と議会への報告、住民への公表
前年度の決算に基づく健全化判断比率と資金不足比率は、その算定資料とともに監査委員の審査に付したうえで議会に報告し、住民へ公表することとされています。
早期健全化基準と財政再生基準の概要
健全化判断比率のいずれか1つでも早期健全化基準以上となった場合、「財政健全化計画」を定めなければなりません、また、再生判断比率のいずれか1つでも財政再生基準以上となった場合、「財政再生計画」を定めなければなりません。
実質赤字比率 | 早期健全化基準 |
11.25%~15% |
起債許可制移行基準と財政再生基準との中間 |
財政再生基準 | 20% | 旧再建法の起債制限基準 | |
連結実質赤字比率 | 早期健全化基準 | 16.25%~20% | 公営企業等における経営健全化を踏まえ、実質赤字比率に5%を加算 |
財政再生基準 | 30% | 早期健全化基準と同様の観点から10%を加算 | |
実質公債費比率 | 早期健全化基準 | 25% | 地方債協議・許可制において、一般単独事業の許可が制限される基準 |
財政再生基準 | 35% | 地方債協議・許可制において、公共事業等の許可が制限される基準 | |
将来負担比率 | 早期健全化基準 | 350% | 実質公債費比率の早期健全化基準に相当する将来負担額の水準と平均的な地方債の償還年数を勘案 |
資金不足比率 | 早期健全化基準 | 20% | 起債許可制移行基準を勘案 |
- 将来負担比率および資金不足比率については、財政再生基準は設けられていません。
財政の健全化と再生の手続き
早期健全化の手続き
財政健全化計画の策定・報告等
健全化判断比率が早期健全化基準以上となった場合、「財政健全化計画」を定め、計画に基づいた財政の早期健全化を進めることとなります。
財政健全化計画は、議会の議決を経て定め、速やかに住民に公表するとともに、総務大臣および都道府県知事に報告しなければなりません。また、計画の実施状況は、毎年度、議会に報告し、住民へ公表することとされています。
総務大臣・都道府県知事による勧告と外部監査
財政健全化計画の実施状況を踏まえ、財政の早期健全化が著しく困難であると認められる場合、都道府県知事は、必要な勧告を行うことができます。また、地方公共団体の長は、個別外部監査契約に基づく監査をもとめなければなりません。
財政再生の手続き
財政再生計画の策定・報告等
再生判断比率が財政再生基準以上となった場合、「財政再生計画」を定め、計画に基づいた財政再生を行うこととなります。
財政再生計画は、議会の議決を経て定め、速やかに住民に公表するとともに、総務大臣に報告しなければなりません。また、計画の実施状況は、毎年度、議会に報告し、公表しなければなりません。
地方債の起債の制限
財政再生計画は、総務大臣に協議し、その同意を求めることができます。再生判断比率のうちいずれか1つでも財政再生基準以上である地方公共団体は、財政再生計画に総務大臣の同意を得ている場合でなければ、災害復旧事業等を除く地方債の起債ができません。
財政再生計画に同意を得た財政再生団体は、収支不足額を振り替えるため、地方財政法第5条の規定にかかわらず、総務大臣の許可を受けて、再生振替特例債を起こすことができます。
国の勧告・配慮等
財政再生団体の財政の運営が計画に適合しないと認められる場合等においては、総務大臣は予算の変更など必要な措置を勧告することができます。また、再生振替特例債の資金について国は配慮し、財政再生計画の円滑な実施について国および他の地方公共団体は適切な配慮を行うものとされています。
公営企業の経営健全化の手続き
公営企業を経営する地方公共団体は、公営企業ごとに資金不足比率を監査委員の審査に付したうえで議会に報告し、住民に公表しなければなりません。また、資金不足比率が経営健全化基準以上となった場合、「財政健全化計画」を定め、計画に基づいた経営の健全化を行うこととなります。