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麻しん・風しん混合(MR)の定期接種について
麻しん・風しん混合(MR)の定期接種について
目次
1.麻しん(はしか)について
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。
麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。
免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
2.風しんについて
風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる急性の風しんウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、風しんへの免疫がない集団において、1人の風しん患者から5~7人にうつす強い感染力を有します。
風しんウイルスの感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。
症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあるため、決して軽視はできない疾患です。
また、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。
3.麻しん・風しん(MR)ワクチンについて
ワクチンの効果
MRワクチンを接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスと風しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。
接種の対象者とスケジュール
MRワクチンの定期接種は、以下の2回です。2回の接種が必要です。
第1期:1歳の1年間(1歳の誕生日の前日から2歳の誕生日の前日まで)
第2期:5歳以上7歳未満で、小学校入学前の1年間
ワクチンの安全性
ワクチン接種後の反応として多くみられる症状として発熱、発疹、鼻汁、咳嗽、注射部位紅斑・腫脹などがみられます。重大な副反応として、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(Adem)、脳炎・脳症、けいれん、血小板減少性紫斑病がごく稀に(0.1%未満)報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明らかでない場合も含まれています。
なお、麻しん含有ワクチンは、ニワトリの胚細胞を用いて製造されており、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほとんどないとされています。
しかし、重度のアレルギー(アナフィラキシー反応の既往のある人など)のある方は、ワクチンに含まれるその他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけの医師に相談してください。
4.定期接種期間の延長について
厚生労働省は、麻しん及び風しんの定期の予防接種に使用されいている、麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の供給が不安定になっている状況により、令和6年度内に、接種ができない方がおられると見込まれることから、接種対象期間を超えた接種を可能とする方針を示しました。
防府市におきましても、国の方針に基づき、次の対象者のうち、令和7年3月31日までに接種ができなかった方について、接種対象期間を2年延長します。
接種対象期間延長対象者
第1期の対象者
令和4年4月2日から令和5年4月1日生まれの方
(令和6年度内に生後24月に達する、または達した方)
第2期の対象者
平成30年4月2日から平成31年4月1日生まれの方
(令和6年度の第2期対象者)
※いずれにおいても、令和6年度に接種対象期間を迎えたものの接種を受けることができなかった方が対象となります。
接種可能な期間
令和7年4月1日から令和9年3月31日までの2年間
5.接種方法について
1.事前に、このホームページや厚生労働省のリーフレットなどを確認し、ワクチンの有効性及び安全性などについて十分にご理解いただいた上で、接種についてご判断ください。
2.防府市が指定する予防接種実施医療機関の中からご希望の医療機関を選び、予約をしてください。
市内の予防接種実施医療機関は下記となります。
3.接種当日、予診票に必要事項を記載してください。
保護者が特段の理由で同伴することができない場合、お子さんの健康状態を日ごろから熟知する親族等で、適切な方が同伴することは差し支えありません。この場合、予診票に加え、この同伴者の同意をもって保護者の同意とする旨の委任状の提出が必要です。
持ってくるもの
1.母子健康手帳
2.健康保険証等の本人確認ができる書類
3.予診票(お持ちの場合)
ワクチン接種後に生じた症状の相談について
ワクチン接種後に気になる症状が生じた際は、まずは接種を行った医師またはかかりつけの医師にご相談ください。また、このほかワクチン接種後に生じた症状などに関する相談窓口を下記の通り設置しております。
厚生労働省相談窓口
・子宮頸がん予防(Hpv)ワクチンを含む予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般についての相談
厚生労働省感染症・予防接種相談窓口※令和6年10月1日から電話番号が変わりました
Tel:0120-469-283
受付時間:月曜日~金曜日午前9時~午後5時(ただし、祝日・年末年始を除く)
6.県外接種をご希望の方
防府市民(防府市に住民票がある方)で、各予防接種の対象年齢内であれば、原則無料です。ただし、事前の手続きが必要となりますので、市こども家庭センターにご連絡ください。
事前の手続きについての詳細は、県外で定期予防接種を希望される方へをご確認ください。
7.予防接種による健康被害救済制度について
予防接種による健康被害救済制度について、定期接種によって引き起こされた副反応により生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく補償を受けることができます。健康被害の程度等に応じて、医療費、医療手当、障害年金等の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。
ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の原因によるものなのかの因果関係を国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に給付を受けることができます。
詳しくは下記の厚生労働省ホームページをご確認ください。
給付申請の必要が生じた場合には、診察した医師、市こども家庭センター(こども相談支援課)にご相談ください。