現在、地球温暖化が一因とされる自然災害が世界各地で発生し、深刻さを増しています。
地球温暖化の主な原因として、人間の活動によって排出される二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの増加が挙げられており、国際社会が一丸となってこの削減に取り組むことが重要な課題となっています。
防府市では、「みんなで実現!ほうふのカーボンニュートラル!」を合言葉に、CO2削減ほうふ市民運動を展開し、地球温暖化対策を推進することとしています。
地球温暖化問題に関する国内外の動向
2015年に採択された「パリ協定」では、「世界的な平均気温上昇を、産業革命以前に比べて1.5℃に抑える努力を追求すること」が世界共通の目標とされました。
また、持続可能な開発目標(SDGs)を掲げる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択もされ、国際社会全体が協力して、温室効果ガス排出削減などの脱炭素社会構築をはじめ、資源循環などを取り入れた持続可能な発展のために具体的な目標をもって取り組むための枠組の整備が進んでいます。
我が国でも、令和2年10月に政府が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2030年度に温室効果ガス46%削減を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることを表明しました。
政府の取組
現在、我が国では、年間で12億トンを超える温室効果ガスが排出されており、2050年までに、これを実質ゼロにする必要があります。
このカーボンニュートラルへの挑戦が、産業構造や経済社会に変革をもたらし、大きな成長につながるよう、日本全体で取り組んでいくことが重要であり、新たな地域の創造や国民のライフスタイルの転換など、カーボンニュートラルに向けた需要創出の観点に力を入れながら、政府一丸となって取組を推進することとされています。
2050年までのカーボンニュートラルの実現を法律に明記することで、政策の継続性・予見性を高め、脱炭素に向けた取組・投資やイノベーションを加速させるとともに、地域の再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取組や企業の脱炭素経営の促進を図る「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が、令和3年5月に成立しました。
これに基づき、同年10月には、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた中長期の戦略的な取り組みを示した、「地球温暖化対策計画」が策定されました。
また、国と地方が協働・共創してカーボンニュートラルを実現することを目的に開催された、「国・地方脱炭素実現会議」では、各省・地方公共団体の取組を基にした議論や関係各方面からのヒアリングを基に検討が行われ、令和3年6月に「地域脱炭素ロードマップ」が決定されています。
山口県の取組
山口県では、「ぶちエコやまぐち」を合言葉にCO2削減県民運動の実施を呼びかけており、県民のみなさんに「ぶちエコ」の関心を広げ、自らの行動につなげることを目的に、マスコットキャラクターの作成や、「ぶちエコアプリ」の配信などに取り組んでいます。また、「ぶちエコやまぐち宣言書」により、取組を行う事業所を募集するなど、「ぶちエコ」なライフスタイルの実践を推進しています。
さらに、「山口県地球温暖化対策実行計画」について、国の動きや社会情勢の変化等を踏まえ、国の地球温暖化対策計画との整合性を図るため、幅広い主体の意見を聞きながら、CO2削減目標や社会的自然的条件に応じた総合的かつ計画的な施策等を盛り込み、令和5年3月に改訂されました。
防府市の取組
本市では、平成18年に制定した「防府市環境保全条例」に基づき、同年に「防府市環境基本計画」を策定しました。令和4年3月には第3次となる計画を策定して、基本目標である「自然と調和のとれた環境の創造、明るい・豊かな・健やかな郷土の継承」の実現に向けた取組を推進しています。
第3次計画では、以下の3つの課題に新たに対応することとしています。
・2050年カーボンニュートラル、プラスチックごみ対策、食品ロス削減といった新たな環境課題
・国が目指す、令和12年度までに温室効果ガスの50%削減を踏まえた、新たな目標の設定
・市民、事業者、行政の三者の協働による持続可能な取組の強化
また、市が一事業者・一消費者として、地球温暖化の防止を目的とする環境に配慮した行動を率先して実行するとともに、職員一人ひとりが事務事業に伴う温室効果ガスの排出量の削減に積極的に取り組むことで、市民及び事業者に対する先導的役割を果たすことを目的として「防府市役所環境保全率先実行計画」を策定しています。